2005年08月24日

八月納涼歌舞伎

050824.jpg僕は毎年恒例のこの八月納涼歌舞伎に特別な思い入れがある。初めて歌舞伎座に行ったのが、1993(平成5)年のそれだからだ。幕見で見た演目は『怪談乳房榎』。当時は浪人中で、あれから12年の年月が経った。 
今年は勘三郎襲名があり、また眼目の第三部『法界坊』は串田和美さんの演出と言うこともあってチケットの入手はかなり困難だった。何とか取れたチケットは3階B席(1,680円)。さすがにこの席だと開き直って観られる。どうせ大して観られないが前提になるからだ。 
さて勘三郎×串田による『法界坊』は今回で三演目。さすがに洗練されていて絶品であった。勘三郎さんの法界坊はふざけるときは徹底的にふざけ、極めるときは徹底的に極める。ここらへんのさじ加減は、間違いなく当代随一だろう。客席の林家こぶ平改め九代目正蔵さんを紹介するサービスも。そして串田さんの演出は、あくまで歌舞伎の様式には謙虚でありつつも、江戸の芝居小屋の盛り上がりを現代人に疑似体験させてくれる。 
さて、今回あらためてその存在の大きさに感動したのは、橋之助さんである。僕は勘三郎さんの贔屓なので、一座の常連である橋之助さんは良く目にしている。父(芝翫)も兄(福助)も女形という家柄で一人立ち役(男役)を演じ続ける橋之助さんであるが、観るたびに大きくなっている。押し出しはいいし、口跡も抜群。ピンチで出てくるヒーローのような役だと、出てきた瞬間に観客に与える安心感は甚大である。それはまるで『義経千本桜・鳥居前』で猿之助さん演じる佐藤忠信の出の時と同じぐらいだ。これだけの大きな歌舞伎俳優は現在では稀有だ。今後も徹底的に注目していきたい。


posted by 山崎達璽 at 00:00| 観劇記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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