2008年11月13日

竹本朝重さんを偲んで

女流義太夫の重鎮・竹本朝重さんが亡くなった(気持ちとしては朝重「師匠」とお呼びしたいのだが、僕は直接教えを受けたわけではないので「さん」とさせていただく)。
『宮城野』のなかで義太夫の出語りという演出に挑戦したのだが、今思えばそのきっかけを作ってくださったのは朝重さんだった。
映画で出語りをやるなら女流義太夫がぴったりだと思った。男性のみが演じる歌舞伎、人形が演じる文楽とは違い、映画『宮城野』のこの場面は生身の女性が演じる。女性の語りによってこそ情念や艶が出るはずだ。
女流義太夫がパッと浮かんだのは、大学時代の「歌舞伎・舞踊研究会」の公演で毎年お世話になっていたからだ。大学一年の最初の公演で『仮名手本忠臣蔵』の七段目が掛かった。その語りが朝重さんであった。大学の歌舞研の公演は男女とも舞台に立つ。よって女性の声がしっくりくるのだろう。このとき女流義太夫に初めて触れてその素晴らしさに魅了されたのである。歌舞研での僕は専らビデオ撮影担当だったので、直に接する機会はなかったが、度々朝重さんにはお世話になった。
『宮城野』の出語りにはそんな経緯があった。今朝の産経新聞で朝重さんの訃報を目にして、すぐさま鶴澤寛也さん(『宮城野』では三味線を弾いていただいた)にメールした。「最後の舞台はわたしが弾かせていただいた」とのこと。
心よりご冥福をお祈りいたします。


posted by 山崎達璽 at 11:51| 映画『宮城野』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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