2009年01月08日

『K-20 怪人二十面相・伝』

『K-20 怪人二十面相・伝』を観る。
日本のバットマンを狙ったと思われるが、それは見事に成功。しかもただの猿真似になってない。「病んでるアメリカ」(←水野晴郎閣下が好んで使ったフレーズ)をただ日本に置き換えたのではなく、情緒の部分を強く押し出しているように感じた。
大本営発表のラジオ放送に始まり、太平洋戦争は回避されたというオープニング。これは映画史に残る傑出したアヴァン・タイトルと言っていい。荒唐無稽なヒーローものはいかに巧く観客を世界観に引き込むか、作り手はそこに心血を注ぐのだが、これはわすがな音と字幕でそれを見事やってのけている。ゴッサムシティなんか目じゃない。そういう意味じゃすでにバットマンより数段上なのかも(日本は決して病んでいないのだ)。
二転三転するストーリーはやや強引だが、オープニングですっかり魅せられてしまった僕は終始楽しくて楽しくて。言ってみればナンセンスも乱歩の味だ。
そしてキャスティングがまたいい。一見アンバランスな金城武と仲村トオルの二枚看板も國村さんが入ることによって一気に絶妙なものになってしまう。松たか子ほかの脇役陣も非常に魅力的。

エンド・ロールに乱歩の遺族の名前があった。筋の通し方が実に美しい。いわゆるスピンオフに冥界の乱歩は大喜びに違いない。


posted by 山崎達璽 at 23:42| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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