2011年01月25日

今年の初芝居〜新春浅草歌舞伎・第二部〜その二

※以下、俳優の敬称を略します。

続いて『黒手組曲輪立引』。これはずっと観たかった演目。亀治郎が文字通りの大車輪。粋でパロディーの面白さに富んだ傑作。
大の猿之助贔屓の僕にとっては、幕開きから亀治郎が猿之助に見えてならなかった。だいぶほっそりはしてるが、容子から口跡までありとあらゆるものが。それもそのはずだ。先輩に教えを請うた役をやるときは一度目は完全コピーするのがこの世界のお約束。血縁者だから似ているに決まっているはずだ。
亀治郎にとっては不本意だろうが、そこに猿之助を重ねる見物は僕だけではないはず。「それでいいのか」……芝居を楽しみつつもついつい自問自答を続けてしまった。やがて大詰を迎えて、待ってましたの水入り。あ〜たまらんこのワクワク。と、「ああ、それでいいんだ」という確信に至った。
僕らは今、芸が継承される瞬間を目撃しているのだ。ものすごく貴重な瞬間だ。次に亀治郎がこの役をやるときは完コピから離れて自分流が入るだろう。僕は間違いなくそれを観る。そして回を重ねるごとに亀治郎型になっていくはずだ。今日、亀治郎に猿之助を重ねた見物はその変遷をずっと目の当たりにするのだ。猿之助の至芸ともいうべき『四ノ切』だって『黒塚』だって最初は猿翁の完コピだっただろう。それが継承〜変遷〜完成されていったのだ。
これからしばらく澤潟屋の継承を追体験できるなんて、僕はなんて幸せなんだろう。


posted by 山崎達璽 at 00:11| 観劇記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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