2012年05月20日

デジタル・リマスター 『楢山節考』 カンヌ国際映画祭ワールド・プレミア

昨日、現在開催中のカンヌ国際映画祭で木下惠介監督の『楢山節考』のデジタル・リマスター版がワールド・プレミアされたそうですね。いわゆる“木下版”は僕の大好きな映画の一本で、昨年、川喜多映画記念館でのフィルム上映ではその美しさに溜め息が出ました。

ところで、拙作『宮城野』について、篠田正浩監督の『心中天網島』(69)の影響をよく指摘されますが(もちろん影響は計り知れません)、最初に目指したのは木下版の『楢山節考』の方なんですよね。戯曲、それも二人の語り芝居の世界をどう表現するか? 美術監督の池谷仙克さんから最初に挙がったのは“木下版”の趣向でした。
・オールセットで太陽の光も人の手でコントロールする
・ある部分は徹底的に作り込むし、ある部分は徹底的に省略する
・歌舞伎や浮世絵で培われた表現方法を映像に持ち込む
……当時のノートにはこんなメモが書かれていました。池谷さん曰く「ドイツ表現主義に対して、これは日本表現主義だね」と。

池谷さんは、僕が中学の時に『帝都物語』を観て、自分が将来監督デビューする時には絶対この人に美術をやってもらおうと長年の憧れでした。夢叶っての『宮城野』の、フィレンツェでのワールド・プレミアでは一緒に舞台に立ったし、木下版『楢山節考』のジャパン・プレミアは是非一緒に行こうと思います。
posted by 山崎達璽 at 15:32| 映画『宮城野』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする