2013年01月09日

NHKスペシャル『父と子 市川猿翁・香川照之』

2013-01-09 16.31.11.jpg1/6(日)にオンエアされたNHKスペシャル『父と子 市川猿翁・香川照之』を改めて観ました。我が敬愛なる猿翁さんですから、一度目はその濃度の高さに消化しきれずで、それでも今日はいくばくかは冷静に観られました。

よくもこんな密着が出来たなあとホント、感心してしまいます。派手さはない作りですが、終始一貫した客観性と冷静さ。すごいディレクターです。それを許した父子もまたすごい度量。
ディレクターの取材ノートはこちら

いろいろと名場面がありますが、あまり触れられないであろう箇所を二つ。

猿四郎さんと化粧の稽古をしている中車さん。スマホにある化粧の画像を見ながら、「最初、おやじがやってくれたヤツは……」と。「おやじ」って。男子はよく分かるんじゃないですかね、この感覚。人前では「おやじ」って呼ぶんですよね。本人の前では「お父さん」とか「父さん」って呼ぶくせに。中車さんの口から自然に「おやじ」って出たの、すごく感動的でした。

久方振りの化粧の稽古をする猿翁さん。その準備をお弟子さんたちがやっていて、あれは猿紫さんでしょうか。「お化粧ね、もう使うことないと思ってたから複雑なんじゃないでしょうかね……」と師匠の気持ちを代弁していましたが、お弟子さんたちが本当に嬉しそうで、いい顔をされていました。
みんなそうですよ。この襲名は「もうない」って思ってたことの連続でした。これでもかこれでもかと。そこがいかにも澤瀉屋です。

「喜びも哀しみも苦しみも全て ここには真実がある」
との猿翁さんの言葉が胸にしみいりました。

中車さんの覚悟の初舞台、猿翁さんの奇跡の復帰、それぞれの最初の瞬間に客席に居合わせたことを我が生涯の誇りにしていこうと思います。

posted by 山崎達璽 at 17:25| 筆のすさび | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする