2012年10月04日

『天地明察』〜時代劇らしさについて〜

ようやく『天地明察』を観てきました。
ターゲットが中高年層を狙っているので、やや冗漫で説明過多な印象はありますが、“科学的歴史ロマン”をたっぷりと堪能。そのもの自体は誰にも変えようがない“天体現象に挑む”わけですから、映像表現はかなり難しいのではと思っていましたが、全体的に分かりやすくうまくまとめられていました。そう頻繁に日食や月食が起こるか?とつっこみたくはなりますが、様々な天体現象をこの二つに集約して記号化したんでしょう。

例によってではありますが……やはり気になるのは、主要キャストの会話が“時代劇らしく”ないところでしょうか。台本に書かれた台詞が現代語でも全然構わないんですよ。忠実に話したら古典の授業になっちゃいますし、歌舞伎だって王朝時代の“時代劇”を江戸時代の“現代語”でしゃべってるわけですし……。
時代劇らしくならないのは、おそらく呼吸やリズムだと思います。読点の前の音を延ばす、語尾をちょっと上げるとか。はっきり言って、みんな下手ですね。一般にはさしたる問題ではないかもしれませんが、空気感とか世界観こそもっとも重要だと思うんですが……。
ちなみに歌舞伎俳優はそういうの、すごく巧いですよね。大化の改新から明治まで、時には外来語だってなんだって“らしく”聞かせちゃいますから。

余談ですが……平日のこの時間ですから、お客は中高年女性ばかり。
エンドロールに“市川猿之助”と出ると、おばさま方は「あれ〜、出てた?」とざわつきはじめ、市川染五郎で??→松本幸四郎でもはやパニックのようでした。
わかります、みんな先代が浮かんだんですね〜。一緒ですよ〜(^◇^;)

posted by 山崎達璽 at 15:50| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月20日

『るろうに剣心』

このところ映画を観ることへのモチベーションがなくて、5月から4ヶ月にわたって劇場に行っていませんでした。
先週、久々に『おおかみこどもの雨と雪』を観て、今日は『るろうに剣心』を観てきました。僕は“原作と比べてどうこう”という論議が不毛で大っ嫌いなのですが、幸いこの作品はタイトルぐらいしか知りませんでした。たぶんこんなに無知で劇場に足を運ぶ客はそうそういないんじゃないかと思います。

さて、大ヒットの本作ですが、さすがは大友啓史監督。『龍馬伝』でみせた圧倒的な世界観をより進化させていて、非常に見応えのある作品だったと思います。パワーで押しつつも無常観を漂わせる演出。例えば殺戮シーンの後、特に雨降りだったりしますが、あの独特の虚無感は非常に素晴らしいと思います。
ただ、終盤、クライマックスのアクションの連続。この展開は途中で飽きましたね。そもそも僕はアクションが好きではないんです。どんなにすごいことをやられても延々と続くといつも飽きます。この手のメジャー作品で主人公は勝つに決まってるわけですから。ま、好みの問題ですが……。
あと、佐藤健はかなりの好演だとは思いますが、惜しむらくは立ち姿の猫背。キャラクター造詣がどうなのかは知りませんが、彼の身長からいくとあれはちょっといただけません。ま、これも好みの問題ですかね。

逆刃刀は憲法9条ですね。

posted by 山崎達璽 at 15:28| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月07日

『ノルウェイの森』<エクステンデッド版>に思う

今日、たった1週間だけ限定公開されている『ノルウェイの森』の<エクステンデッド版>を観に豊洲まで行った。
この作品がいかに素晴らしかったかは<劇場公開版>の時にさんざん書いたが、16分長いこちらのヴァージョンは数段上の出来映えだった。スリリングで豊穣な世界観、まさに見事の一言に尽きる。

プロデューサーは「<劇場公開版>、<エクステンデッド版>ともに完全に異なった方針に基づいて監督が編集した“ディレクターズカット”だ。前者はより主人公たちのエモーショナルな部分が強調されており、後者はより映画全体の雰囲気、世界観を重視した構成といえる」とコメントしているが、この経緯、ちと苦しいと思う。
確かに<エクステンデッド版>は“雰囲気を重視し、余韻のあるつくり”と言われればそうで、非常に繊細な作りが施されている。しかし、抽象的な論議はおいといて、単純に<エクステンデッド版>は展開がわかりやすい。最初に編集がなされたのが<エクステンデッド版>だったらしいので、ものは言い様、<劇場公開版>は短縮版であるといっているようなものではないか。

とある日本映画が100分に編集されたところ、「観客に長い印象を与えるから99分にしてくれ」とイチャモンがついたと聞く。そんな観客を小馬鹿にしているようなことが本作でもあったのではないのか?
監督が150分にまとめ上げたところ、“2時間半では長い”と言われ、監督のあずかり知らぬところで短縮されたか、もしくは監督が不本意ながら再編集をしたのか……と、ついつい邪推を重ねてしまう。
posted by 山崎達璽 at 21:15| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月27日

『ノルウェイの森』←大傑作です!!

1988年『ラストエンペラー』(87)
1994年『心中天網島』(69)
1997年『暗殺の森』(70)
2000年『花様年華』(00)
そして、2010年『ノルウェイの森』……

完全にノックアウトされ、エンドロールが終わって5分は動けず。その後、小さく幾度もガッツポーズ。大げさだが、僕はこの映画に出会うために生まれてきたのかもしれないし、この映画となら心中できるかもしれない(もちろん拙作『宮城野』も)。ここ10年のベストワン決定!
生々しいエロスと虚無感、そして全編を覆う乾いた空気感。洗練された音楽のセンス……破調に破調を重ねる美の極致。まさに感無量。この時代に生まれたことに感謝感激。

まだまだ整理がつかないが、まず特筆すべきは菊地凛子演じる直子だ。
かつて僕はぶっ壊れていく女性を見たことがある。いや、厳密に言えば、すぐそばで見ていた(ぶっ壊したのが僕だから)。菊地凛子の目はそれを怖いぐらい巧みに表現していた。ちょっとのことでビクッとおびえたり、泣いたり。そして濃密なセックスから急転直下のヒステリー。菊地凛子の演技はもはや直視できなかった。……なんてね(笑)

もちろんこれは極端に好みの分かれる作品である。すごく好きか30分もたないか。
ただ、原作を読んでいないからと観ることに躊躇しないで欲しい。僕は原作ものにはいつもそういうスタンスで接するのだが、映画は原作とは別物であり、それは一人の監督による一つの解釈にすぎないのだ。だから「原作と比べて……」というのは本来ナンセンスだし、「原作を知らないから」と言って観ることに臆してしまっては大切な出会いを失ってしまう。

完全に興奮状態のままこれを書いているが、『ノルウェイの森』は是非スクリーンで!
posted by 山崎達璽 at 21:19| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月07日

『SPACE BATTLESHIP ヤマト』

楽しみにしていた『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を観に行く。撃沈されるのを覚悟で行ったのだが、あに図らんや僕の涙腺が玉砕するとは……。
僕はヤマト世代としては最若年だろう。放送開始が1974(昭和49)年だから、僕が観ていたのは人気がじわじわ出てきた再放送と劇場版。ヤマトのLPとプラモデルが記憶に残る最初の誕生日プレゼントだ。
今思うと(これはうちの実家だけかもしれないが)、祖父母もヤマトが好きだった気がする。応援しているといった感覚だろうか。祖父母はまさに戦争世代。戦艦大和がアメリカに撃沈された、そんな悔しさをぶつけていたのかもしれない。今日改めてヤマトの世界観に浸って、やはりこれは「大東亜戦争に散った英霊へのレクイエム」だと思った。だからこそ僕の涙腺は緩みまくったのかもしれない。
それにあのヤマトのフォルム。見ているだけでうっとりする美しさ……。

70年代、戦後の空気がわずかながらあった時代を知る世代=ヤマト世代かどうかによって、感想は全然違うはずだ。このノスタルジーはヤマト世代じゃないと味わえないと思う。
posted by 山崎達璽 at 17:43| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月16日

『ゴースト もういちど抱きしめたい』

楽しみにしていた『ゴースト もういちど抱きしめたい』を観る。
公開直後とあって、平日の昼間なのに結構な混雑。ほとんどは韓流好きであろうおばはんたち。しかし、あの人たちはすごい。予告編中からべちゃくちゃしゃべり、本編が始まってもひそひそしゃべる。茶の間でテレビを観る感覚だ。クライマックスのほのかなラブシーンでは身を乗り出して、終盤に向かってはハンカチで涙をぬぐう。本能の赴くままだ。映画興行はおばはんたちに支えられているといっていい。
オリジナルの『ゴースト/ニューヨークの幻』が公開されたのは1990(平成2)年。高校1年の冬、当時の彼女との初デートでこの映画を観た。まだまだ純粋なヤングだった僕はボロボロ感動し、ろくろのシーンの妙なエロティックさに照れていた気がする。それはさておき……。
このアジア版リメイクは、まあ予想通りの出来だった。が、樹木希林さんは期待以上。ウーピー・ゴールドバーグをはるかに凌ぐ好演・怪演。久々に爆笑してしまった。希林さんは例によって必要以上に熱くならないし、はしゃがない。湿っぽくならないし、終始どことなく気品を漂わせる。さすがである。
で、作品についてだが……。主人公の二人がなぜ惹かれあったのか、そこが弱い。もう少しそこを丁寧に描いて欲しかったと思う。が、どうかなあ、恋はするものじゃなくて落ちるものだから、それでもいいのか。あと、心理描写が単純すぎる。ハラがない。日本人はあんなに直情的に動かないと思うのだが、そこはアジア市場を見込んでのことだろうか。
ろくろのシーンはもって行き方にに無理があったが、まああれは一つの様式美だ。ラストで死んだ相手の思いを馳せながら一人でろくろを回すのは、溝口健二の『雨月物語』へのオマージュなのだろうか。
鈴木砂羽がなんだかムチムチしててすごくよかったなあ。
posted by 山崎達璽 at 16:57| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月10日

久々の映画

今日は久々に映画を観た。午前中に観るのはどんな映画であってもちとつらい。

9月以降に観た映画は以下の通り。

・ハナミズキ
・キャタピラー
・カラフル
・悪人
・十三人の刺客
・大奥
・リプレイガールズ
・桜田門外ノ変

今年観た中で、ご老体の監督の新作が3本あった。確かに芝居に対する演出力はさすがと思ったが、正直作りのセンスが古いと思った。特に感じるのは音楽とズームの多用だ。どうしてもこの2点だけは現代的感覚が必要なのだろう。
posted by 山崎達璽 at 15:07| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月01日

ご無沙汰しております。

ご無沙汰しております。久々の更新です……。

忙しくても体調がよくなくても、映画館で今公開中の作品を観るというのは、職業柄、義務に近い。5月ぐらいからまったくレヴューを書いていなかったが、ちょくちょく映画は観ている。

『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』
ネタとしてもう限界。

『春との旅』
音楽が大仰と思われたが、なかなかの秀作。1シーン1カットの醍醐味を味わえた。

『告白』
後味悪いし大嫌いだけど、とっても面白い。

『セックス・アンド・ザ・シティ2』
ちょっとこの老けっぷりは……。内容的にも所帯じみた。ほとんど舞台はアブダビじゃん。

『flowers』
どういうつもりでこの映画を作ったのか? 企画としては面白いと思うのだが……。各所からいろいろ言われて監督は大変だったんだろうなあ。

『必死剣 鳥刺し』
衝撃のラストは失笑。

『ロストクライム―閃光―』
監督のセンスが古すぎて……。

『借りぐらしのアリエッティ』
初期のジブリの活劇的魅力は楽しめたが、内容が薄い。でも短いからまあいいか。キラッと輝く小品という感じ。
posted by 山崎達璽 at 21:02| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月29日

『月に囚われた男』

先日、『月に囚われた男』を観る。この映画を一言で紹介すると、デヴィッド・ボウイの息子が撮ったという言われ方になってしまい、そこがなんだか哀しいのだが……。いやいや、なかなかの秀作だった。低予算の不条理SFホラー。内容の説明は略すが、スクリーンで体感して初めてその意図が見えてくる、映画らしい映画だ。
原題は『moon』。『月に囚われた男』とは納得の邦題だ。
posted by 山崎達璽 at 13:09| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月13日

『ソラニン』

『ソラニン』を観る。もう、どうでもいい映画だ。バンド青春モノで誰かが死んじゃう。最後はライヴで大団円。何度この手の作品を観てきたか。まったくどうでもいい。
posted by 山崎達璽 at 22:34| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月08日

『影武者』

日比谷シャンテで黒澤明生誕100周年を記念しての特集上映が組まれている。溝口健二と並んで尊敬する監督の一人でもあり、一本でも多くスクリーンで観たいとは思うものの、なかなか時間が合わず……ようやく今日、『影武者』を観る。
この映画を最初に観たのは中学生の頃だ。その時はレンタルビデオ。2回目はオーストラリアに留学していたときにテレビで観た(こちらはより引き締まった編集の国際版)。
「『影武者』は美しいし面白い」とずっと思ってきたが、35歳になってスクリーンで改めて観ると、正直今ひとつだった。『羅生門』もそうだったが、どうも作りが粗っぽいのが気になる。溝口の映画はスクリーンで観て、ますますその繊細さに唸ったが、黒澤の場合は……。そりゃ美しいし面白い。が、どこか違う。世間でも僕自身の中でも人物は神格化され、作品は聖典化されすぎているではないだろうか。
posted by 山崎達璽 at 23:15| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月15日

『花のあと』

『花のあと』を観る。残念ながら映画らしさがまるでない凡作であった。台詞で全部語ってしまったり、フラッシュバックを多用したりととにかく説明過多。映像で語ろうという姿勢が見受けられず薄っぺら。
あくまで好みの問題だが、北川景子は登場カットから「似合わない!」と思ってしまい、それは結局改善されなかった。彼女はものすごく頑張っていたのは事実だが……。國村隼や柄本明、それに亀治郎の登場シーンの手堅さは流石であるが、あとは立ち居振る舞いで精一杯で観ていて冷や冷や。所作指導教室のおさらい会かのように、習いたての動作をノーカットで何度も見せられたら、『アバター』以上に手に汗握ってしまう。台詞で「〜の方(ほう)」を連発していたが、現代語でもおかしいのに時代劇でそりゃないでしょ。
posted by 山崎達璽 at 15:10| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月11日

『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』

『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』を観る。画家がテーマであり、ヴィットリオ・ストラーロが撮影なのでものすごい期待をしていたが、感想は「無」に近い。一つ一つのエピソードが断片的で、音楽で過剰に盛り上げてぶった切ってフェードアウト。がらっと話が変わって次のエピソードもそんな感じ。それが延々133分続く。知識がないとか地理が分からないとかそういう次元じゃなくて、もっと根本的な部分で観ることを放棄せざるを得ない。テレビシリーズのような大河ドラマとして作ったものの放映のめどが立たずにダイジェスト版にしたのだろうか? 期待したストラーロの撮影も特筆すべきはない。光と影で語った究極の名作『暗殺の森』には遠く及ばない。全くの時間の無駄。
posted by 山崎達璽 at 16:13| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月02日

『人間失格』失格です!

『人間失格』を観る。例によって世間では二言目には原作がどうこうという話になるが、僕はそんなことはどうでもいい。そもそもそんな論議はナンセンスだ。一応書いておくが、僕は原作を読んだことはない。中学の頃に塾の先生に聞いたら、「まだ早い。あれははまっちゃうんだよね〜」と言われた。
さて、この映画、苦行以外のナニモノでもなかった。折に触れて映画的なストーリーの省略をやるのだが、これがへたくそで行間が分からない。分からないままだらだら展開していき、収拾がつかなくなって、出来の悪い清順映画のようになって終わる。訳が分からん。
posted by 山崎達璽 at 21:40| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月23日

邦画をハシゴ

『ゴールデンスランバー』を観る。あまり予備知識なく観たが、なかなか楽しめた。突然オズワルドに仕立てられて逃亡を続ける主人公を追いつつも、たびたび挿入される学生時代の仲間を回想シーンに得も言われぬノスタルジーがあっていい。ややとっちらかってる感じは否めないが、それがまた魅力なのかもしれない。

続けて『食堂かたつむり』を観る。年に数回ある、生理的に全く受け付けない作品だった。案外際どい内容をメルヘンチックな女の子映画にまとめる手法は僕が一番苦手としている。映画としての善し悪しじゃなくて、ごめんなさい、全てが苦痛でした。
posted by 山崎達璽 at 22:46| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月09日

『おとうと』

『おとうと』を観る。
一つ一つの台詞をとても大切にしてストーリーを紡いでいくのは、さすが山田洋次監督である。高齢者がじんわりと楽しめる映画。松竹本流・山田本流といったところだ。派手さはないが、得も言われぬ味わいを出すラストは秀逸。
posted by 山崎達璽 at 18:15| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月08日

『アバター』

ようやく『アバター』を観る。ベストな状態を求めて、川崎のシネコンのIMAX吹き替え版を予約。アカデミー賞会員証は使えないので、2,200円をカード決済。
まあ良かったなあというのが正直な感想。『ジョーズ3』から『キャプテンEO』を経て『センター・オブ・ジ・アース』に至る“飛び出す3D”が、奥行きのある体感3Dに進化したことは確かにすごい。幾度となく繰り返される飛び降りるシーンでは股間の下あたりがスーッとした。2,200円分は楽しませてもらったと思うが……。
これは『風の谷のナウシカ』と『もののけ姫』なんかのパクリだろう! そんなの僕らの前後の世代だったらみんな分かるはず。ニュースで「人生で一番良かった」って言ってる女の子がいたが、おまえ、人生で観た映画は何本だよ。オリジナルは神様しかできないもの。どんな創作物だってパクリの要素があるのは当然だと思う。要はそこに敬意があるかどうかだ。ジェームズ・キャメロンはせめて「ミヤザキを尊敬してます」ぐらいの言葉を表明してくれ。
そして、どうにも長い。162分はたまったもんじゃない。あのでっかい木が倒されたところで終わってもよかったんじゃないか。宮崎ワールドだったら、その焦土から新芽が出てくるような無常観や輪廻転生で終わるだろう。そこをいかにもハリウッドのノリの勧善懲悪で白黒付けたがる。飽きました……。
反米的という意見があるそうだが、僕には反中共に思えた。シナ人はああやってチベットやウイグルを侵略した。政治亡命をしているチベット人やウイグル人を集めて上映会をやったらいいんじゃないかな。『クンドゥン』と2本立てで。
posted by 山崎達璽 at 22:08| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月05日

『サヨナライツカ』

中山美穂・工藤静香・南野陽子・浅香唯らのアイドルが全盛期だった80年代後半。中学生の僕はその誰にもさほど興味がなく、小生意気にも今井美樹のファンだった。だから中山美穂にもあんまり思い入れがないのだが、この頃のアラフォーになったその姿がどうにも魅力的で、ついつい『サヨナライツカ』を観に行ってしまった。
あれ? 辻仁成原作でフジテレビ作品だと思ったら、クレジットは全部英語で監督はじめほとんどが韓国スタッフ。あ〜、これは韓国映画風にした日本映画ね。外注でもしないと客が呼べない日本映画界。どこまで堕ちていくんだろう。
さて、正直、2/3ぐらいまではなかなか良かった。『エマニエル夫人』『ラ・マン』『花様年華』『愛の神、エロス』のような異国情緒におけるエロスが溢れかえる。そこまでは褒め過ぎまでも、中山美穂の妖艶な化粧品のCMがずっと続いてるようでうっとりと見とれてしまったのは事実。
が、終盤はどうしようもない蛇足。原作がどうだかは知りたくもないが、無理矢理ストーリーをまとめ上げようとする言い訳にしか思えない。
そして、25年後という老けメイク。ほんの数シーンだったらそれも許すのが映画を観るお作法だろう。だが、上映時間の1/3も続いたらただのコントにしか見えない。観客はみな失笑である。ギンギンにみなぎっていたのが、すっかりプールから出た後のようになってしまった。
あの予告CMはどうみてもインチキだ。
posted by 山崎達璽 at 22:09| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月24日

『今度は愛妻家』

『今度は愛妻家』を観る。
曲がりなりにも演出家である僕はすぐにオチが読めてしまった。それが分からなければ、なぜか多数派だった30代以上の男性観客のように楽しめたはず。
さすがに豊川悦司と薬師丸ひろ子と石橋蓮司はすごかった。一瞬にして空気を作り出してしまう圧倒的な存在感。僕らよりちょっと上の世代には今の薬師丸ひろ子にキュンとなってしまうんだろう。彼女と原田知世は年齢とともにどんどんよくなっていく。
面白いプロットにうならせるキャスティング……常套句の「悪い映画とは思わない」とは、僕は思わない。これは悪い映画である。それは監督の演出力が欠落しているからである。
posted by 山崎達璽 at 13:25| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月22日

『母なる証明』

ようやく『母なる証明』を観る。
テイストとしては苦手な作品だ。例えるなら、二人の監督が撮った『楢山節考』。木下恵介は悲しい話を歌舞伎調に様式美で描いた。今村昌平は過剰なまでに写実的にえげつなく描いた。僕は前者は大好きだが、後者は大嫌いだ。『母なる証明』は後者に近い。
が、評判を呼んでいるようにすごい映画だったことは間違いない。すさまじい映画力。どこまでも考えさせられる結末。勉強してからもう一度観ようという気持ちにさせられる。
posted by 山崎達璽 at 13:08| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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