2008年05月20日

『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』

横浜で打ち合わせがあったので、少し前ノリして『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』を観る。オリジナルと比べてどうこうという話はしない。これは樋口さん監督の一作品であって、そういう論議は的を射ていないからだ。
感想は「無」である。よほどひどい、つっこみどころのある映画だったらまだしも、何も語るべきことがないのだ。胸躍ることもなく、腹の立つこともなく、ただ無駄な時間が過ぎていった。
こういう超大作映画を年に数本しか観ない人がこれに当たってしまったら、もう二度と日本映画なんて観ないであろう。和製ロード・オブ・リング的なものなんて誰も観たくない。悲しいことだ。


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2008年05月19日

『靖国 YASUKUNI』

20080519205859.jpgようやく『靖国 YASUKUNI』を観る。
まず作品のクオリティのあまりの酷さに閉口。ナレーションを一切排して、字幕の説明も最小限にしているが、それならばもっと編集の歯切れ良くしなければ退屈きわまりない。お粗末な撮影は、プロの仕事である以上、臨場感やリアリティとは評価はできない。そりゃ原一男の足下にも及ばないでしょう。
次にこれが反日映画かどうかという問題。やや反保守的ではあるが、あまりツッコんではきていない。まあ僕としては気分は良くないが、上映に対しては賛成だ。これに反対や妨害をしたら、仮に靖国を礼讃する映画を作ったとして、それを上映する権利を失うからだ。
刀鍛冶のおじいちゃんが出演シーンをカットしろと怒っているらしいが、あの下手くそで聞き取りづらい日本語で監督にインタビューされれば、答えに窮して黙ってしまったり誘導されたり。確信犯?と思わせる。
それから「靖国刀が御神体」というテーマの提示。靖国神社の御神体は戦没者の名前を書いた霊璽簿を写す鏡だという。それを分かった上であえて哲学的提示をしているのかもしれないが、これでは明らかな事実誤認を招く。ドキュメンタリーとしての屋台骨がねじ曲がっている。敗北だ。
そして税金を使った助成の妥当性。僕は否だと思う。いわゆる日本軍による蛮行といわれる写真は信憑性に論議が巻き起こってるもので、これを何度もモンタージュするのは刷り込みであり、政治的中立性を欠いている。また韓国からも助成を受けており、製作会社はシナ人が中心。およそ日本映画とは言えまい。助成の妥当性を問うた稲田朋美先生に何の否があろうか。
原一男の『ゆきゆきて、神軍』を観たとき、ゆめにも許されるテーマではないものの、どこかエキサイティングする気持ちを禁じ得なかった。そういうものがこの映画にはない。朝日新聞のでっち上げがいかに空虚なものかよく分かった。
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2008年05月07日

『相棒―劇場版― 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン』

『相棒―劇場版―』を観た(しかし、これ、どれだけ長いタイトルだ。本編では『相棒』としか表記されてなかったのに)。
僕はテレビの『相棒』が結構好きだ。この番組はいわゆる「テレビ映画」の名残である。

テレビ映画とは……一般の映画と同様にフィルムで撮影され、制作ノウハウも映画のものを踏襲し、スタッフの大半も映画出身であるが、映画館での上映ではなく、テレビ番組としての放映を前提として製作される映像作品をいう。ヒーロー戦隊もの、特撮もの、時代劇、刑事ドラマに多い(Wikipediaより)。

『相棒』は、ビデオ撮影にはなっているが、かつてのテレビ映画スタッフの意地が見える。だからとってもクオリティが高くて面白い。
結構楽しみにして観に行ったが、やっぱり面白かった。連休が明けたというのに平日の昼間っから客席は満員。

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2008年05月04日

『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』

改めて言うまでもなく、映画はスクリーンで観るものである。ビデオやDVDは資料であって、監督が意図した創作物とは別物である。よって同時代の作品は劇場で観ないと意味がない。
『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』
観たくて観たくて堪らない映画だったが、『宮城野』の準備が一番忙しいときでさすがに観られず、そのまま時が過ぎていた。ようやく今日DVDで観た。大変見応えのあるいい映画だった。とことんまで泣かせに走らないところがまたいい。
日本で言えば美空ひばりか。そのキャラが綾戸智恵を思わせたりもしたが……。
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2008年04月23日

『モンゴル』

080423.jpgチンギス・ハンを演じた浅野忠信がアカデミー賞にノミネートされた『モンゴル』を観た。比較するのはナンセンスだが『蒼き狼』が舞台的な様式美(というか戦隊ヒーローもの)なら、こちらは精神性と写実主義だ。 
衣装や美術はリアリティを追求しているように思える。ただキャスティングに魅力を感じない。ヒロインを演じた女優がモンゴル的には美人かもしれないがまったくそそるものがない。インド映画だってタイ映画だって、ヒロインはヒロインなのに。 
チンギス・ハンが囚われの身となって幽閉されている時代を描くが、この架空のエピソードが精神性を強調し過ぎてして、リアリティのある考証やダイナミックな戦闘シーンとうまくマッチしていない。 
映画の製作過程を知りたくて、数年振りにパンフレットを買ったが、こんなものはサイトをプリントアウトしただけのインチキだ。
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2008年04月21日

『王妃の紋章』

『王妃の紋章』を観る。『HERO』にはじまるこの手のシナの歴史ロマンにはいい加減食傷気味だ。CGも頑張っているが画質が粗く興醒め。特筆すべきはコン・リー。真正面からのクローズアップ(上はおでこあたりから下は鎖骨くらいまでのフレーミング)であれだけ堂々と芝居が出来るのは流石だ。こういう画作りは作り手にも勇気がいる。それを堪能できただけでもOKとすべきか。
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2008年03月31日

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』

ようやく体調が回復したので、お待ちかねの『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を観る。 
何てことはない話だが、けだるい感じが最高。クリストファー・ドイルの撮影ではないので、クセがなくて観やすかったかも。選曲が素晴らしく、ノせ方がまたいい。いかにもなウォン・カーウァイ宇宙だ。素敵なひとときだ。
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2008年02月04日

『ラスト、コーション』

今日は整音作業が夜からなので、気合いを入れて『ラスト、コーション(LUST, CAUTION)』を観に行った。うーん、気合いを入れ過ぎたかな。相当に好きなテイストだし、見応えたっぷりだったが、どうにも……。 
158分という長尺が、自作に全精力を傾けている現状にきつかったのか。それともアクロバティックとも評されるセックス・シーンにボカシがたっぷりだったからか……。落ち着いてからもう一度観ようと思う。 
しかし、トニー・レオンが老けた。ただのちっちゃいおっさんにしか見えない瞬間が多々あった。『花様年華』の時のような匂い立つようなエロスが薄まってしまった。あとヒロインがどうしても林寛子に見えてしまったり、イケメン系の助演男優が前原誠司(前民主党代表)に見えてしまったり……と、集中してないなあ。
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2008年02月03日

『茶々 天涯の貴妃(おんな)』

先週、世間じゃあボロクソに言われている『茶々 天涯の貴妃(おんな)』を観た。僕は天の邪鬼からだろうか、結構楽しめた。時代考証が……等という論議はナンセンスだろう。そもそもそれを観に行っているのではない。和央ようかが美しくないと言われているが、僕は結構好きだ。あの宝塚調の台詞回しだって個性的でいいのではないだろうか。
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2007年12月07日

『ALWAYS 続・三丁目の夕日』

僕の周囲ではいろいろと意見が分かれるところだが、前作は良かったと思う。ストーリーに直接関係のない、(CGを駆使した)東京タワーが建設されていく様子がとてもシンボリックで、上手いマッチングでだった。 
さて、そのパート2。うーん、やらなきゃ良かったのになあ。大方の予想通りであろうか。ストーリーは小ネタ箱をひっくり返しただけで収拾がついていない。顔見世狂言じゃあるまいし。母親の恋のエピソードなんてどう考えても不要かと。ただCGの技術向上には目を見張るものがあった。前作では生きた空気感がなかったが、そこは改善されていた。 
パート2に挑んだ監督の本音を聞いてみたい。
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2007年12月06日

『やじきた道中てれすこ』

撮影が終わってからまず最初にどの映画を観ようか……さんざん悩んだ挙げ句、『やじきた道中てれすこ』に行く。これがなかなかの秀作。中村屋は映画に敬意を表しつつ実に楽しげに演じている。そしてキョンキョンはどこまでも僕らの永遠のアイドルだ。ただ一点、歌舞伎の忠臣蔵の高師直(こうのもろのお)をもろなおと連呼していたところがどうにも……。重箱の隅をつつくようだが。
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2007年05月31日

『クィーン』

映画の善し悪しは、監督の世界観がどれだけうまく観客に伝わるかである。世界観とは、監督のつく嘘である。その嘘がいかにもっともらしくみえるか。そこに監督の演出術が試されるのである。 
 
『クィーン』は傑作であった。ダイアナ元王妃が事故死されてからの1週間、エリザベス女王が何をお考えになってどんな行動をされたか。憶測は出来ても、真実はご本人以外分かるわけがない。しかし、この映画を観ていると、ああそうだったのかあと、真実を目撃しているかのような錯覚に陥る。実に巧みにだ。つまり監督の嘘にまんまと騙されてしまったわけだ。しかも相当に心地よく。
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2007年05月29日

『バベル』

ようやく『バベル』を観た。僕の周囲ではあまり好意的な意見がなくどうも足が遠のいていたので、こんな後れ馳せのタイミングになってしまった。 
いやはや、これは傑作である。後味悪い? そりゃ『スパイダーマン3』『パイレーツ・オブ・カリビアン』のようなただ受動的でありさえすればいい映画限定の観客はそう思うであろう。本作は観客に能動的になることを要求する、つまり観客に問いかけ考えさせる映画である。こういうカテゴライズは好きではないが、アカデミー賞にノミネートされるような大メジャー作品にしては珍しい。 
ちょっとした誤解が悲劇に発展する。人間とはしょせん分かりあえないものだろうか。ラスト、その答を提示してるのかしてないのか。僕は少なくともこの33年の人生の中で、とどのつまり人間は分かりあえないものだと思っているのだが……。 
 
坂本龍一の『美貌の青空』が切ない。
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2007年05月15日

約20年振りの『帝都物語』

約20年振りに『帝都物語』をスクリーンで観た。一瀬隆重の特集上映で、ニュープリントを期待したのだが叶わず、かなり傷んだ状態だった。 
さて、当時(中学1年)思ったのは、ストーリーは急ぎ足で難解なこと。またクライマックスはややパワーダウン。それは今観てもやはり同じ印象だった。しかし、原田美枝子演じる辰宮恵子と坂東玉三郎演じる泉鏡花が夜道を歩くシーンの情感なんぞは、やっとその魅力が分かってきたなあと。 
80〜90年代という、世の中が激変したこの20年を経ても、この映画の魅力は色褪せることなく、むしろ輝きを増すばかりだ。ミニチュアとオプチカル合成の多用は、文字通りの特撮映画だ。実寸大の銀座のオープンセットには空気感が生きている。どんなに精巧なCGでもこの感覚は出せまい。 
 
中堀さん(撮影)や池谷さん(美術)に聞きたいことがいっぱい出てきた。
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2007年05月14日

『眉山』

『眉山』を観る。素敵な映画だった。試写をご覧になった後の皇后陛下の柔らかで優しい笑顔を思い出したが、まさにあのご尊顔がすべてを物語っている。 
人間をじっくり描きつつも、台詞は極力排して、映像表現にこだわる。クライマックスの阿波踊りは『山猫』や『暗殺の森』を彷彿させる、感涙の大スペクタルだ。
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2007年03月29日

『蟲師』

『蟲師』を観た。案の定というか、原作を読んでその世界観の知っていることが前提の作品だと思う。原作をまったく知らないボクにとってはまったく意味が分からなかった。おそらく壮大な世界なんだろうなあ、その世界に浸ってみたいなと思わせたが。
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2007年03月19日

『叫』

『叫』を観る。 
久々に黒沢清作品をスクリーンで観たのだが、ボクはシネセゾン渋谷とは相性が悪くて、ろくな映画を観た記憶がない。 
予告編上映時にわすがな客電が点いていたが、これがスクリーンにも当たっているとはいかがなものか。そして本編もややピンが甘くて……。 
 
さて『叫』であるが、黒沢清独特の後味の悪さは相変わらずで、この点はスタイルを貫いていていい。ただどうも理にかなわなかったり説明不足のところが多々あり、少々パワーダウンを否めない。そして葉月里緒菜演じる赤い服の女の宙乗りはどうなんだろう。失笑が聞こえた。まあまあ、葉月だったら取り憑かれたいなあ。それで殺されたら男の本望かも。
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2007年03月06日

『蒼き狼 地果て海尽きるまで』

『蒼き狼 地果て海尽きるまで』を観た。 
うーん、案の定、大味な映画だった。脚本が練られていないのでは。この手の大作だと『敦煌』なんかはそこら辺はしっかりしてたと思う。 
演技がどうも変だ。下手くそなところもあるのだが、全編大仰。『始皇帝暗殺』なんかでもそれを感じることはあったのだが、これはそれに稚拙さが加わる。モンゴル人を日本人が演じることによって、芝居の妙みたいなものが均されてしまうのではないか。公約数の演技とでも言おうか。モンゴル人の芝居なんて絶対に出来るわけがなく、かといって日本人のように振る舞ってはおかしい。それならどっちがみても解釈が分かれないような、至極分かりやすい演技に徹すると言う境地に至ってしまうのかもしれない。
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2007年02月19日

『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』

こんな映画が撮りたかった。 
僕は時代劇監督でなくて時代物監督だと思っている。つまりリアルな同時代ではなくて、ある一つの時代を徹底的に調べ上げて作り込んで、そこにちょっとクサイ物語を紡ぐ―そんな映画作りが好きなんです。大正でも天保でも、未来でもなんでも……。 
バブル―僕にとっては大人への入り口である。この映画の舞台になっているのは1990(平成2)。僕は高校1年。ああ世界が変わったなと感じたのは高2の頃かな。僕らはバブルの申し子にはちょっと届かない。背伸びしてバブルに届こうとしていた世代である。だからあの頃はすごく懐かしくて、気恥ずかしくて、ちょっと照れ臭い。 
この映画、決して構成がいいとは思えないのだが、それでも僕はノリノリだ。会心の一作!
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2007年01月25日

『マリー・アントワネット』

ソフィア・コッポラが親の七光りで史上初のヴェルサイユ宮殿ロケを敢行した作品。予告編を観たときから感じていたが、重厚な歴史劇ではなく、ポップなアメリカン・コメディのノリ。史跡でロケをすると、どうしてもその歴史の重みにドラマがチャチに見えて、観光ビデオになりがちである。その点、このポップなノリはそこをカヴァーする切り口であったかもしれない。 
ただボクにはこの作品の良さは分からなかった。男には厳しいかな……。
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