2007年01月24日

『それでもボクはやってない』

シャンテで『それでもボクはやってない』を観た。さすが周防さん、時代の切り口が違う。裁判員制度が始まろうとしているこのタイミングは絶妙。緻密な取材に基づく展開には、日本の司法制度はこういうことなのか、いや、しょせんこんなもんだよと納得させられる。ただそんなマニュアル映画、啓蒙映画になっていて、そこに面白みや感動があるかというと、今一つであった。 
 
その後、小口と落ち合って、大学の先輩にあたる某社長と会食に。そこで懐かしの国民的アイドル・グループのメンバーと会ったり。 
『夢二人形』を観てもらった社長に聞かれた。 
「監督と小口さんはそういう仲だったの?」 
在学中から10年以上にわたって何度聞かれたことか。社長はDVDの特典映像の対談からそんな淫靡な空気を感じ取ったとか。 
いやいや。それでもボクらはやってない!


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2007年01月22日

『大奥』と『京鹿子娘二人道成寺』

今日は銀座で映画を2本観た。 
まずは『大奥』。テレビ版はほとんど見たことがないので、このシリーズの世界観を初めて味わった。昼ドラの如きスキャンダラスなストーリー展開に、潤沢な資金を注ぎ込んだ、まさに豪華絢爛な時代絵巻。構図、カット割り、音楽のどれをとってもいわゆる劇画タッチである。そのどぎつさは五社英雄の『吉原炎上』などにも通じるのだが、こちらはもっとえげつない。とは言いつつも、ボクは嫌いではない。なかなか楽しめた。『さくらん』もこんな感じなのかな。 
 
その後、東劇でシネマ歌舞伎『京鹿子娘二人道成寺』。こちらは舞台中継なのだが、緻密に計算されていて大変結構。白拍子花子を菊之助と玉三郎さんが“二人一役”で演じるのだが、名乗りを上げるところは別撮りしたカットを挟み込んでいて、ここらへんは新機軸であろう。だた後半のフラッシュバックは不要のような気もする。 
観客はほとんどがおばさんで、鐘入りのところではスクリーンに向かって拍手が起こるほどだった。
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2007年01月15日

『硫黄島からの手紙』

『父親たちの星条旗』に引き続いて大変好評な作品だが、やはりボクは何とも思わなかった。何とも思わないとはなんだと言われそうだが、それしか言いようがないのだ。決して悪い映画とは思わないけど、それなら魂震えたかというと、まったく……。敗戦濃厚な日本軍を描くなら(何も好戦的になることはないが)、『男たちの大和/YAMATO』ばりに誇り高く、そしてちょっとクサイぐらいの方がいい。 
詰まるところ、イーストウッドの映画には生理的なリズムが合わないんだと思う。
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2006年12月31日

今年観た映画など……

まずは今年映画館で観た映画をまとめてみた。 
 
○松竹 
花よりもなほ  
出口のない海 
地下鉄(メトロ)に乗って ○ 
武士の一分 
 
○東宝 
THE有頂天ホテル  
サイレンFORBIDDEN SIREN 
LIMIT OF LOVE 海猿 ×× 
TRICK―劇場版2― 
日本沈没 
ゲド戦記 ×× 
シュガー&スパイス 風味絶佳 ○ 
涙そうそう 
7月24日通りのクリスマス × 
犬神家の一族 
 
○東映 
ただ、君を愛してる 
 
○角川ヘラルド 
寝ずの番 ○ 
時をかける少女 ○ 
 
○その他 
博士の愛した数式 ○ 
憂國 ◎◎ 
ヨコハマメリー ◎ 
初恋 
ゆれる ◎◎ 
特集上映「溝口健二の世界」 ◎ 
パビリオン山椒魚 × 
フラガール 
手紙 ◎ 
シルバー假面 
 
○外国映画 
Mr.&Mrs.スミス 
ホテル・ルワンダ 
フライトプラン ×× 
ミュンヘン 
プロデューサーズ 
グッドナイト&グッドラック ○ 
ダ・ヴィンチ・コード 
奇跡の夏 
太陽 ◎ 
愛と死の間(はざま)で 
ユナイテッド93 ○ 
グエムル 漢江(ハンガン)の怪物 ××× 
ワールド・トレード・センター 
父親たちの星条旗 
トゥモロー・ワールド ◎◎ 
めぐみ 引き裂かれた家族の30年 
敬愛なるベートーヴェン ○ 
 
 
さて、今年を振り返ると…… 
春先はようやくトンネルを抜け、そして一青窈のライヴに感動。 
初夏は弟が市議会議員に当選。 
ここ数年にわたって準備を進めてきた新作が盛夏にぽしゃる(ぽしゃりかける)。 
秋にかけては我が中日ドラゴンズのリーグ優勝に盛り上がり、日本シリーズの完敗と節操のない小笠原の読売への移籍で一気に野球熱も冷める。 
忘れちゃいけない、9/6は悠仁親王殿下の御降誕に歓喜。 
冬になって、新作の望みがつながり、怒濤の日々。 
来年こそは悲願の新作を撮るぞ! 
 
皆様、本年は大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。どうぞよいお年をお迎え下さい。
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2006年12月29日

『犬神家の一族』

久々に映画を観た。今ひとつ不入りという『犬神家の一族』のリメイク版だ。 
 
富司純子、松坂慶子、萬田久子の三女優の熱演はなかなかのもの。 
そして今を時めく音羽屋(父:尾上菊五郎、母:富司純子、姉:寺島しのぶ)の御曹司・尾上菊之助が圧巻。歌舞伎で言うところの「口跡(こうせき)」、一般的に言うと台詞術と声色が非常にいい。歌舞伎では老若男女様々な役を演じるので、この口跡に長けていなければならない。佐清と静馬の二役を演じる菊之助は、顔は覆面で見えないものの、彼の持ち前の口跡の良さで、「声」で巧みに演じ分けている。
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2006年12月23日

『シルバー假面』

実相寺監督の遺作『シルバー假面』の初日に行く。ものすごい動員である。これだけの特撮ファンが殺到するなんて、まさに実相寺さんの底知れぬパワーを目の当たりにした。そしてこの作品もまた往年の特撮ものに森鴎外を綯い交ぜにするなんて、そんなマニアックな世界観が素敵だ。
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2006年12月12日

『武士の一分』

『武士の一分』を観た。木村拓哉は頑張っていた。頑張ってはいたが、木村拓哉はどこまでもキムタクだ。だから山田洋次がこの藤沢周平三部作で追求してきた徹底したリアリズムにどうもはまらない。東北弁で「しぇんしぇい」なんて言うと思わず笑ってしまう。『2046』のときのようなダメ・エロ作家は抜群に合うのに。 
 
「めくら」を盲人と言い換えたのにはがっかりであった。
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2006年12月11日

『敬愛なるベートーヴェン』

今日は朝から体調が今ひとつで、『武士の一分』を観ようとしたもののまるでいい評判を聞かない映画を観る気も起こらず、期待大の『敬愛なるベートーヴェン』を観た。 
歴史ミステリー、芸術家、男と女とボクの好きな要素がすべて詰め込まれていて、いやはや、素晴らしい!! 
ベートーヴェンと言えば真っ先に思い浮かぶのが、ゲイリー・オールドマンの『不滅の恋 ベートーヴェン』(94)。ゲイリー・オールドマンのベートーヴェンが忘れられなくて、今回のエド・ハリスはちょっと物足りない。何というか、ただのブヨブヨで格好良くない。偉大なる芸術家は男前であって欲しいのだ。 
それはさておき、圧巻は『第九』の初演シーン。難聴のベートーヴェンの指揮を、彼のコピスト(写譜師)となった作曲家志望の女性アンナが影の指揮者となってサポートする。これが実に色っぽい。物の本によると、クラシック音楽は、当時の観客はそこに性的興奮を覚えていたという。まさにそれ。文章ではどうにも表現できないのだが、この『第九』は性行為そのもの。興奮した。 
惜しむらくは前半ウトウトしてしまった。これはもう一度観なくてはならない。
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2006年12月07日

怒りの涙

『めぐみ 引き裂かれた家族の30年』を観た。途中怒りの涙が止まらなくなった。 
拉致問題は北鮮が悪いに決まっている。が、それに加担した旧社会党や共産党の責任、問題を隠蔽し続けた朝日新聞の責任も糾弾すべきなのだ。もしアメリカで誰かが拉致されたら、陸海空の全て軍事力をもって奪還するだろう。 
そんなことを考えるとまた怒りの涙が止まらなくなる。 
 
ドキュメンタリーの出来としては今一つ。イメージ映像が多すぎるのと、いかにも外国人が好きそうな純和風の選曲が変。
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2006年11月27日

『トゥモロー・ワールド』

地味で暗い映画ながらこれは大傑作。深遠で深刻なテーマといい、緊迫感みなぎる長回しの連続といい、申し分ない名作と断言できる。その意図のすべてが理解できるのはスクリーンで観た時のみである。
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2006年11月20日

『手紙』―すこぶる名作に出会う

061120.jpgまた1本、すこぶる名作に出会った。『手紙』である。 
確かに沢尻エリカは可愛すぎだが、そんなくだらないことはどうでもよくなってしまう傑作だ。まだ余韻に浸りたいので、また後日感想をまとめようと思う。 
 
『ゆれる』と『手紙』はあまりに辛すぎるが、魂が震える感動を与えてくれた。
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2006年11月16日

『ただ、君を愛してる』

061116.jpgボクの山崎の「崎」は正しくは右側が「大」ではなく「立」の字だ。これは機種依存文字と言ってMacでは表示されないため、PCではやむを得なく「崎」を使う。宮崎駿や宮崎あおいもそうだ。 
さて、その宮崎あおい主演の『ただ、君を愛してる』を観た。映画『恋愛寫眞 Collage of Our Life』のアナザーストーリーだという。アナザーストーリーって何だ? 姉妹編? いや違うな。登場人物名とか設定が一緒で、ストーリーが似た感じで……まあ言葉悪いけど「亜流」かな。アナザーストーリーとやらを前面に謳うなら、里中静流のちょっとむかつく感じは広末涼子の方がはまり役であろう。 
あまり話題に上らないこの作品だが、ボクとしてはなかなかの出来とみた。奇をてらわない画作りが功を奏して、終始ゆったりと感情移入できる。キスシーンもベタベタな展開だけど、素晴らしいと思わせた。 
 
やっぱりニューヨークは素敵だ。画像は2003(平成15)年の7月に行ったときに、グラウンドゼロから撮った写真。 

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2006年11月13日

『父親たちの星条旗』

さすがアメリカの超大作。金の掛け方が半端じゃない。戦闘シーンの凄まじさには度肝を抜かれる。そして深いテーマ性……が、僕にはどうにも今一つの映画だった。何がダメというわけではなく、クリント・イーストウッドとは相性が悪いようだ。毎度毎度。モノローグが多くて、音楽が暗い。地味なムードにどうしても乗れない。あと一本観ると思うとかなり凹む。
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2006年10月17日

微妙な……

061017.jpg今日は横浜のシネコン「109シネマズ」に行った。初めて行ったのだが、うちからの全行程が1時間以内。ここはいい。シネコンと言えばお台場だったから、これからは通わせてもらいます。 
さて、今日は『フラガールズ』と『シュガー&スパイス〜風味絶佳〜』を観た。 
『フラガールズ』は予定調和ではあったが、なかなかの感動作。ボクは松雪泰子の大ファンなので、彼女がフラダンスをするだけで大満足。松雪、いいなあ〜。最高です。松雪のフラダンスという言葉だけでごちそうさまです。 
『シュガー&スパイス〜風味絶佳〜』が出色。福生というアメリカ臭い街の雰囲気が何とも言えずいい。高校時代に村上龍の『限りなく透明に近いブルー』を読んで、いろいろと思いを馳せたものだ。沢尻エリカは可愛いし、夏木マリの存在は圧巻。彼女は唯一無比だ。そして柳楽優弥クンが素晴らしい。彼は、(ボクが嫌いな言葉である)“微妙な”演技が出来る俳優だ。ボクの演出は俳優に1か0を要求する。二元論で演技指導をする。曖昧模糊なことは口にしない。曖昧模糊なこと、つまり微妙なことは演技者に任せてしまう。というか逃げてしまうのだ。柳楽クンはこの微妙なところが実にうまい。1でもなく0でもなく、何とも言えない、とにかく微妙としか言いようがない表情だったり間だったり。 
帰り道に思わず買ってしまった。滋養豊富・風味絶佳。
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2006年09月29日

『新・平家物語』

溝口の『新・平家物語』を観る。今回はデジタル・リマスター版での上映。以前、古いプリントで観たことがあるが、さすがにこれは美しい。しかし、溝口作品のスケールはでかい。市川雷蔵演じる若き日の平清盛の情熱が豪華絢爛な絵巻物のように繰り広げられていく。雷蔵の眉毛がすごい。こんなゲジゲジは親鸞か村山富市ぐらいしかいないんじゃないか。 
溝口作品にしては珍しく男の情熱が前面に出された映画だ。いつものエロがほとんどない。木暮実千代の胸元が見えただけでドキドキしてしまう。
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2006年09月25日

『元禄忠臣蔵・後篇』と『出口のない海』

9:50から溝口の『元禄忠臣蔵・後篇』を観る。充分な睡眠を取って臨んだものの……やはり後半ウトウトしてしまった。思うに、この作品、ストーリーは冗漫だ。これだけ眠くなる映画はそうそうない。『ベルリン天使の詩』以来だ。見所は壮大なセットと流麗なキャメラワーク。それは充分に堪能した。 
 
午後から有楽町で『出口のない海』を観る。悲しすぎる映画だ。涙が止まらなかった
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2006年09月22日

『元禄忠臣蔵・前篇』

土日は混むだろうと思って、朝9:50から溝口の『元禄忠臣蔵・前篇』を観る。1941(昭和16)年にこんな超大作を撮っていたとは驚き。 
 
すみません、敬愛する溝口監督……。後半ほとんど寝てしまいました。
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2006年09月21日

『残菊物語』

溝口の『残菊物語』を観る。市川猿之助による1963(昭和38)の作品(大庭秀雄監督)は観たことがあったが、溝口作品は初めて。特に前半がたるくてウトウトしてしまった。当時絶賛されたという新派の花柳章太郎と森赫子の演技がどうにもハナについてしようがない。ただこの作品で完成されたという溝口のワンシーンワンカットのが素晴らしく、ベルトルッチがいかに影響を受けているかが分かった。
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2006年09月19日

『山椒大夫』

溝口の『山椒大夫』を観た。エロティシズムではなくヒューマニズムを描く溝口作品は初めてだったが、終始その美学に圧倒された。映画がスクリーンで観て初めてその意図のすべてが分かるものです。
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2006年09月14日

『楊貴妃』

060914.jpg渋谷の至る所ににこんな幕やら提灯があった。ボクには王にヽがあるように見えてならない。 
 
それはさておき、今日は溝口の『楊貴妃』を観た。史実に忠実な溝口と言うが、これは何だか変だ。ちゃちなセット撮影だし、衣装もヘンテコ。当然日本人が日本語で喋る。と、言い出したらキリがないのだが、これは異国情緒というか、異国風ととらえるべきだ。手作り風メロンパンが手作りでないのと同じ。 
 
しかし、京マチ子の美しさは絶品だったなあ。
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