2013年01月05日

Nスペの憂鬱

明日6日放送予定のNHKスペシャル『父と子 市川猿翁・香川照之』。テレビの前に正座して観ようかと非常に楽しみにしているんですが、懸念がないわけではありません。
世間の倫理観からはおよそ誉められたものではないプライベートな部分が取り上げられるであろうし、猿翁さんの病人としての今が大きく映し出されるはずです。
それが正月休み最後の日曜の、大河ドラマの後、まさにゴールデン中のゴールデンに放送されます。
往事を知る歌舞伎ファンはいいと思うんですが、アラフォー世代以下の、「猿之助歌舞伎」を知らない人たちがそれを目の当たりにするわけです。
その人たちがどう思うか……。どんなに三代目さんがすごかったと語っても映像の力は絶大です。哀れみと罵詈雑言? 想像したくないですね。

そんなNスペの憂鬱を歌舞伎ファンに話したら、「でも、私たち、歌右衛門さんや梅幸さんにそうだったじゃない」と。確かにその通り! 僕は、歌右衛門さんについては最々晩年、梅幸さんも晩年しか観ていなくて、その時はひどいことを言ったものです。青臭くて生意気な20代ですからね。最近になってようやく梅幸さんの魅力が分かり掛けてきたぐらいですから。
オンエアを前にそんな自問自答を繰り返しております。


さて、三代目猿之助といえば「スーパー歌舞伎」。“現代の感性で創作した”とよく言われます。この現代性ですが、厳密には80年代の感性なんですね。やがてバブル景気へと高揚していくイケイケドンドンな空気感。いわゆるそんな“バブリー”さも今や一つの歴史です。
その時代時代の現代性を取り込む精神(本来は江戸歌舞伎の精神)を十八世勘三郎さんが踏襲したのは否定できないでしょう。だから、「現代の観客にも受け入れやすい歌舞伎は中村屋が作った」という言い方は明らかに間違い。そこらへん、ちゃんとしてもらわないと(-.-#)
posted by 山崎達璽 at 09:34| 筆のすさび | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月05日

中村屋の思い出

2012-12-05 07.15.09.jpg今朝、テレビをつけた途端に中村屋さんの映像。それから訃報のナレーションがあるまでほんの少しの間だったんですが、ものすごく嫌な予感がしました。案の定……。重病説もありましたが、この人だけは絶対に復帰すると思っていました。まさに寝耳に水。

襲名以降でしょうか、いろいろと思うところがあって、だいぶ長い間中村屋さんの舞台には足が遠のいていました。まったくもって、後の悔い先に立たずです。

中村屋さんはコクーンや平成中村座ばかりが取り上げられますが、助六の通人なんてのも良かったですね。二枚目よりも三枚目寄り。色気があって軽妙で。

中村屋の思い出。
その昔、コクーンに『盟三五大切』が掛かったとき。
夜の部の当日券(立ち見席だったかな)を買うために、昼の部の開演前から並んでいたことがありました。
無事切符が買え、最初の幕間の時、劇場の係員の方が僕のところにやってきました。
「今日は朝早くからお並びいただきありがとうございました。勘九郎さんからです」と、この手拭いを渡してくれました。
生意気な大学院生もこれには感謝感激でした。

まだこれからいつだって観られると思っていたのに。あまりに早すぎますよ。

posted by 山崎達璽 at 12:44| 筆のすさび | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月02日

『ラストエンペラー』のいわゆる「南京虐殺」はカットされていなかった。

2012-12-02 19.42.18.jpg映画史に燦然と輝くベルナルド・ベルトルッチ監督『ラストエンペラー』。中学1年の頃に見て、明確に映画監督という役職(仕事)を意識して目指すようになった、僕にとっても記念碑的作品です。
その「コレクターズ・エディション」のBlu-rayが届きました。VHS→LD→DVDとメディアが進化するたびに買い揃えてきました。関連書籍も含めると、約25年間、もうこの映画にいくら費やしたか分かりません。

さて、本作は公開当時、いわゆる「南京虐殺」のシーンが配給会社の松竹富士によってカットされ、ずいぶん物議をかもしました。四半世紀が経った今、その顛末をネットで調べると、“カットされたまま公開された”との説、“抗議を受けて戻して公開された”との説があり、どう決着されたかはあまり伝わっていないようです。

『ラストエンペラー』蒐集家と申し上げましょう。
結論としては、「南京虐殺」についてはカットされないまま公開されています。これは監督が渋々編集したヴァージョンになります。

当時の報道から事実関係を追ってみましょう。(88/1/24朝日新聞など)

○1987(昭和62)年10月4日
第2回東京国際映画祭にてワールドプレミア上映。
“興行主を含む映画業界人”から、戦犯となった溥儀が記録映画を見せられるシークエンスが“刺激的すぎる”と問題となる。
松竹富士はこれを受け、一連の「南京事件」「人体実験」「アヘン栽培」(計40秒弱)の部分をカットする。

○11月上旬〜
プレス試写。

○12月1日
カットのことが監督の耳に入り、“日本の事情を鑑み自分で処理したい”との連絡。

○12月24日
「人体実験」「アヘン栽培」(計18秒)をカットした修正版が届く。

○1988(昭和63)年1月20日
松竹富士が監督に謝罪して、修正版での上映を受け入れる。

○1月23日
修正版で日本一般公開。 

つまり、「南京虐殺」についてはそのまま、その後に続く「人体実験」「アヘン栽培」はカットして公開したのが、当時の日本の事情と監督の妥協線だったようです。
その後、1988(昭和63)年8月6日にビデオ発売、1989(平成元)年4月3日にはテレビ放映されましたが、上記の修正版のままでした。
元の状態に戻されたのは、ほとぼりが冷めた2001(平成13)年6月21日のDVD発売が初めてだと思われます。
以降は、2008(平成20)年6月13日の「ディレクターズカット」DVD、2012(平成24)年11月2日の「コレクターズ・エディション」Blu-rayもオリジナルで収録されています。

ちなみに本作には163分と219分の2ヴァージョンがあります。
前者は劇場公開版。厳密にはこれにも日本のみで公開されたヴァージョンが存在しているわけですが……。
後者については、「オリジナル版 3時間39分」「ノーカット版」「ディレクターズカット版」など様々に呼ばれていますが、元々テレビのミニシリーズをも意図して作られているので、「テレビ版」が正しいと思います。


posted by 山崎達璽 at 20:31| 蒐集癖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月07日

『楢山節考』の邦楽スタッフ

ただ今、11/11(日)のトークに備えていろいろと勉強しております。
本作の大きな特徴の一つは音楽がすべて義太夫と長唄であることです。

ここからはかなりマニアックな話。古典芸能好きな方は是非続きを読んでください。

竹本と長唄の顔ぶれが非常に豪華なことは分かるんですが、実はそのクレジットがはっきりしません。本編オープニングのクレジットや映画史の資料などを読んでみても、あくまで映画サイドからの記載なので誤表記が多いんですね。また50年も前のことなので代替わりをしていたり……。

例によって神経質な僕は本作の邦楽スタッフを調べ上げてみました。とりあえずはこれでいいはずです。

[義太夫]
義太夫節付 野澤松之輔
浄瑠璃 (五代目)竹本南部太夫
三味線 野澤松之輔・(四代目)野澤錦糸・(八代目)竹澤團六(現・七代目鶴澤寛治)
音楽参与 遠藤為春
口上 吉田兵次

[長唄]
作曲 (十四代目)杵屋六左衛門
唄 杵屋六左衛門・(十五代目)杵屋喜三郎
三味線 (六代目)杵屋勘五郎・杵屋六郎助
囃子 田中佐十次郎・田中佐七郎
笛 鳳聲晴雄


posted by 山崎達璽 at 23:46| 筆のすさび | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月21日

『宮城野』アートの原点、あの『楢山節考』を語り尽くします!

2.JPG木下惠介監督の生誕100年にあたる今年は、これを記念した様々なイベントが開催されています。
そのうちの一つ、名匠の眠る鎌倉で代表作7本をゲスト・トークを交えて上映するスペシャル・イベントにお呼びいただきました。

NEW DISCOVER KEISUKE KINOSHITA from Kamakura
―木下惠介生誕100年プロジェクト―

→Facebookのページ

10/14から7週連続開催のうち、僕のトークがあるのは……
◇5th「楢山節考」 Theme:日本の美
→Facebookのイベント

全編歌舞伎の様式で作られた、あの『楢山節考』(58)です!
→デジタルリマスター版の予告編はこちら

◆義太夫節付 野澤松之輔(『曽根崎心中』)
◆長唄作曲 十四代目杵屋六左衛門

本作から約50年後の2007(平成19)年、『宮城野』のはじめての打ち合わせの際、美術監督・池谷仙克さんの口から発せられた第一声は「木下版『楢山節考』を目指しましょう」でした。
『楢山節考』は、伝統的な歌舞伎の美術と音楽を取り込むことに見事に成功しています。池谷さんはその手法を参考に、さらに深化させた世界を作り上げてくれました。『宮城野』アートの原点はまさに『楢山節考』といえます。
そして、僕が敬慕してやまない、二代目市川猿翁(当時は三代目團子、後に三代目猿之助)さんの若き日の姿が観られます……そんな思い入れたっぷりの本作について語らせてもらえるのですから、こんな光栄なことはありません。
木下惠介監督のアート性が全面に溢れ出たアバンギャルド作品を楽しく、かつ濃密に紐解くつもりです。みなさま、秋の一日、鎌倉散策かたがた是非お運びください!!

【日時】
2012年11月11日(日)
開場: 12:30
上映: 13:00〜14:50
トーク: 15:00〜15:40

【会場】
材木座公会堂(鎌倉市材木座4-4-26)

バス材木座公会堂への道のり
JR「鎌倉駅」東口7番乗り場
京急バス<鎌40>新逗子駅行、<鎌12>九品寺循環に乗って7〜8分、「九品寺」で降りてください。徒歩3分で着きます。
soon「九品寺」からの地図はこちら

・バス時刻表(参考)
12:05 新逗子駅行
12:12 九品寺循環
12:25 新逗子駅行
12:32 九品寺循環
12:45 新逗子駅行

【入場料】
800円

【ご予約】
Facebookイベントページの参加ボタンを押していただくか、お名前・人数・ご連絡先を明記の上、ndk.kamakura@anpw.ccまでメールをお送りください。



posted by 山崎達璽 at 17:23| 映画『宮城野』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月04日

『天地明察』〜時代劇らしさについて〜

ようやく『天地明察』を観てきました。
ターゲットが中高年層を狙っているので、やや冗漫で説明過多な印象はありますが、“科学的歴史ロマン”をたっぷりと堪能。そのもの自体は誰にも変えようがない“天体現象に挑む”わけですから、映像表現はかなり難しいのではと思っていましたが、全体的に分かりやすくうまくまとめられていました。そう頻繁に日食や月食が起こるか?とつっこみたくはなりますが、様々な天体現象をこの二つに集約して記号化したんでしょう。

例によってではありますが……やはり気になるのは、主要キャストの会話が“時代劇らしく”ないところでしょうか。台本に書かれた台詞が現代語でも全然構わないんですよ。忠実に話したら古典の授業になっちゃいますし、歌舞伎だって王朝時代の“時代劇”を江戸時代の“現代語”でしゃべってるわけですし……。
時代劇らしくならないのは、おそらく呼吸やリズムだと思います。読点の前の音を延ばす、語尾をちょっと上げるとか。はっきり言って、みんな下手ですね。一般にはさしたる問題ではないかもしれませんが、空気感とか世界観こそもっとも重要だと思うんですが……。
ちなみに歌舞伎俳優はそういうの、すごく巧いですよね。大化の改新から明治まで、時には外来語だってなんだって“らしく”聞かせちゃいますから。

余談ですが……平日のこの時間ですから、お客は中高年女性ばかり。
エンドロールに“市川猿之助”と出ると、おばさま方は「あれ〜、出てた?」とざわつきはじめ、市川染五郎で??→松本幸四郎でもはやパニックのようでした。
わかります、みんな先代が浮かんだんですね〜。一緒ですよ〜(^◇^;)

posted by 山崎達璽 at 15:50| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月30日

幻の監督デビュー作(^_^;)

IMG_0004.jpg講談社から『あぶない刑事 全事件簿 DVDマガジン』が発売されて、僕ら“団塊ジュニア”が色めき立っています。友人からサントラ集をもらって、ここ数日、甘酸っぱい空気感にときめいております。
当時、中2だった僕はあの世界に憧れて、高3の夏休みまで何作も刑事ドラマを作っていました。この記事は、学研の『VIDEOCAPA(1992年4月号)』の自主制作の投稿コーナー。「アクション&刑事もの特集」の一作として掲載されています。
……と思うと、17歳のこれが監督デビューだったわけです(^_^;)


posted by 山崎達璽 at 18:06| 筆のすさび | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月20日

『るろうに剣心』

このところ映画を観ることへのモチベーションがなくて、5月から4ヶ月にわたって劇場に行っていませんでした。
先週、久々に『おおかみこどもの雨と雪』を観て、今日は『るろうに剣心』を観てきました。僕は“原作と比べてどうこう”という論議が不毛で大っ嫌いなのですが、幸いこの作品はタイトルぐらいしか知りませんでした。たぶんこんなに無知で劇場に足を運ぶ客はそうそういないんじゃないかと思います。

さて、大ヒットの本作ですが、さすがは大友啓史監督。『龍馬伝』でみせた圧倒的な世界観をより進化させていて、非常に見応えのある作品だったと思います。パワーで押しつつも無常観を漂わせる演出。例えば殺戮シーンの後、特に雨降りだったりしますが、あの独特の虚無感は非常に素晴らしいと思います。
ただ、終盤、クライマックスのアクションの連続。この展開は途中で飽きましたね。そもそも僕はアクションが好きではないんです。どんなにすごいことをやられても延々と続くといつも飽きます。この手のメジャー作品で主人公は勝つに決まってるわけですから。ま、好みの問題ですが……。
あと、佐藤健はかなりの好演だとは思いますが、惜しむらくは立ち姿の猫背。キャラクター造詣がどうなのかは知りませんが、彼の身長からいくとあれはちょっといただけません。ま、これも好みの問題ですかね。

逆刃刀は憲法9条ですね。

posted by 山崎達璽 at 15:28| 映画レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月09日

「猿之助じじい」上等〜澤瀉屋襲名二月目の千秋楽のまとめ〜

DSCF0245.JPG気付いたら、澤瀉屋襲名の千秋楽から一ヶ月以上が経ってしまいました。Facebookではいろいろと書きましたが、ここにもまとめをしておきたいと思います。あくまで自分の備忘録のためですが(笑)。

結果として
<六月>
5(火)昼の部 1階1列19番(初日)
<七月>
4(水)夜の部 1階1列19番(初日)
22(日)夜の部 3階1列45番
29(日)昼の部 1階4列20番/夜の部 3階1列27番(千秋楽)
と、5公演、4日間演舞場に通いました。こんなに歌舞伎三昧な日々を過ごしたのは、三代目猿之助さんの『千本桜』三役完演か一世一代の『伊達の十役』以来でしょうか。

7/29(日)の大楽は覚悟の上の着物で昼夜通し。本当にきつかったけど、一生の思い出ですね。

『ヤマトタケル』は1995(平成7)年の三代目、2005(平成17)年の右近・段治郎(現・月乃助)さんWキャストを観ました。
ヤマトタケルの役は三代目の生き様や人生観や美意識が投影されています。そのものと言ってもいいかもしれません。だからまだ三代目の思い出と寄り添っていたくて、正直、観に行くか躊躇していました……が、やっぱり今度の四代目さんの初演、観て良かったと思います。三幕目が泣き所かもしれませんが、序幕から随所で涙が出ました。この研ぎ澄まされた演出に身を委ねることで三代目の存在を身近に感じるんですね。結局そうやっていまだ思い出と寄り添っているのでしょうか。「猿之助じじい」上等です(笑)。
3回ものカーテンコールにはしっかりと猿翁さんのお出ましがありました。猿翁さん、お茶目にも客席に投げキスをされていました。決して感涙にむせぶようなことはしないあの人らしいクールさ? お茶目さ? いや、照れ隠しでしょうか。

夜の部『楼門五三桐』について。
当初は初日だけのつもりでしたが、あまりの感動と、心のどこかにこれが猿翁さんの最後の舞台になるのではという思いもあり、無理を言って22日と千秋楽を追加してしまいました。
22日は、猿翁さんの台詞が初日より苦しいなあと思っていたところ、翌日は休演。四代目が代役を務めたが、さすがの彼も動揺を隠しきれなかったとか。段四郎さんに至っては台詞につまりそのまま絶句……。三代目襲名の『黒塚』の時、上演時間になると初代猿翁さんが病床から起き上がって念を送っていたという話がありますが、ホント及ばずながらですが、僕も二日目から毎日20:35になると歌舞伎好きだった曾祖母に手を合わせて舞台の無事を祈っていました。
と、23日の衝撃はかなりものでしたが、翌日には復帰。それからは連日無事の「ご出馬」でした。

いよいよ開幕。いつも20:35〜なのが、千秋楽は10分ほど押していました。
この日の海老蔵さんの五右衛門の気迫たるや、そりゃ凄まじいものがありました。目玉が落っこちてくるんじゃないかと心配になるほど。尊敬してやまない“澤瀉屋のおじさん”の復帰に応えようとする思い、輝くオーラに必死に挑もうとする思い、いずれも彼の純粋無垢なところが伝わってきて、非常に好感が持てました。
そして猿翁さんの真柴久吉の登場。家臣たちの「あれから指折り数うれば、八年ぶりの、御出馬なるか」との渡り台詞がなんとも乙です。今月三度目の猿翁さん、今日も光り輝いていました。ふだん“オーラがある”っていう表現はあまり使わないんですが、この猿翁さんばっかりはほかに言い表しようがありません。ただ「石川や〜」の台詞ですが、この日もやはり苦しかったです。幕切れの「石川五右衛門、さらば」はしっかりしていましたが、今思うとなんとも切ない思いに駆られます……。

幕切れの台詞ですが、台本では……
 五右 久吉、さらば。
だけなんですね。
ところが、実際の上演では……
 五右 真柴久吉、
 久吉 石川五右衛門、さらば、
 両人 さらば。

と変更されています。どういうプロセスがあったのか分かりませんが、ファンにとってはたまらねいですね。

カーテンコールは“5回? いや6回、7回はあった”とか各所で話題になりましたが、正直、回数は分からないです(笑)。
印象的だったのは、猿翁さんと海老蔵さんの握手。初日は「オレも出ていいの?」という感じで舞台に戻って終始緊張している様子でしたが、千秋楽はずっと猿翁さんの手を握っていました。猿翁さんが何度も「ありがとう」と声を掛けていて、さすがの海老蔵さんも泣いていましたね。
まだまだ続くカーテンコールではいろんなことがありました。昼に続けて猿翁さんの投げキス。笑也さんや猿弥さん、ほかの俳優さんもやっていました。四代目が花道から登場したり、21:00は過ぎてたはずなのに團子さんが舞台に登場したり(笑)、猿翁さんの後ろで、四代目と海老蔵さんがニヤニヤと話している姿は中高生男子の雰囲気でこちらも思わずニヤリ……。
そんな祝祭ムードのなか、思わずホロリとさせられたのは、終わりの方で、万雷の拍手を受けた猿翁さんがほぼお一人で立って舞台の面まで歩くお姿でした。定式幕が閉まるときにぶつかりそうで、慌てて彌十郎さんがカバーに入るというオチもあり(苦笑)。脳梗塞を患った人が歩いたり話したりするのがどれだけ大変なことか。死んだ祖父がそうでしたからよく分かります。祖父はリハビリを投げちゃいましたからね……。

涙々の六月初日、驚きの連続の七月初日、笑顔と喜びに満ちた大楽。久々の「猿之助の七月」は幕を閉じました。

品位を損なうことなく、
媚びることなく、
期待を裏切ることなく、
それ以上の喜びを与えてくれる。
それが澤瀉屋です。


posted by 山崎達璽 at 10:13| 観劇記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月29日

久方振り、「猿之助」の七月

2012-07-29 07.26.32.jpg七月の歌舞伎も中日を過ぎて、筋書きに舞台写真が入った頃。
開場時間のだいぶ前に東銀座に着く。
歌舞伎座はす向かいの「辨松」で赤飯弁当の一番安いのと冷たいお​茶を買う。
開場と同時に劇場に入り、さっそく舞台写真を選んで、一緒に筋書​きを買う。
三階席で「市川猿之助」と名のつく歌舞伎俳優の舞台を楽しむ。心​から楽しむ。

大学入学で上京してから2003(平成15)年まで、毎年七月はそんな過ご​し方をしてました。気付いたら、久々にそんな七月です。六月・七月の初日ばっかりは分不相応なお席で観ちゃいましたが(^_^)​v
昨夜も(猿翁さんの)久吉公は無事ご出馬されたそうです。いよいよ今日は千穐楽。これぞまさに大楽。久方振りの昼夜通し。「猿之助の七月」の大詰、しかとこの目に焼き付けてきます。


posted by 山崎達璽 at 07:36| 筆のすさび | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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